PODがもたらしたイノベーションは小ロット、スピード感、現物での確認など枚挙にいとまがないが、これからはその要素に加えその特性を知り、いかに有用なツールとして使いこなしていくのかがユーザーに問われていく。今回のコンペでは応募者の発想力、制作努力が随所に見られとても興味深く審査させて頂いた。POD活用のヒントにこのコンペの受賞作がなることと、今後のユーザーの更なるチャレンジを期待したい。
クリア、ホワイトおよびピンク、イエローの特色が印刷できるということは、ただこれまでのレギュラー印刷に1色が加わるという意味だけではなく、クライアントへの提案の領域が大きく広がることを意味する。今回の応募作品全体を見渡し、その表現の可能性の広がりを感じることができた。そしてさらにオンデマンド印刷によって可能となるビジネスモデルまで見通した提案を想像すると、まだまだその企画開発の余地があるように思える。
RICOH ProシリーズのC,M,Y,Kの4色トナーにクリアー(CL)、白(W)、蛍光ピンク(NP)、ネオンイエロー(NY)の4色のスペシャルトナーが、加わり計8色のカラートナーに独自メディアも使ってビジネスシーンでの効果的な商材としての提案作品が、32点応募された。使い慣れたトナーPOD技術で高画質な4色プロセスカラーに蛍光ピンクや白トナーなどを加えた眼を引く作品が半数以上を占めている。白や透明トナーなどとメディアをうまく組み合わせた作品など印刷側のPOD技術に対する認識は広がりを見せている。そのさらなる認知度の拡がりや、発注者や一般の人たちへ、オフセット印刷の画質の領域に入ってきたPOD技術に更なる新しいリコー独自なトナーを加えた幅広いスペシャルトナーの提供で、クリエイティブデザインや商材・販促等の有効なツールになることを認識してもらうには、今回の様なデザインコンペは、非常に有効であるとの感を持った。
少部数印刷主体のオンデマンド印刷は、ただ少ないだけの印刷から、より品質を求める声が大きくなった。すでに通常の印刷では勝るとも劣らない品質が得られる。「クリア」、「ホワイト」、「ネオンイエロー」、「ネオンピンク」という『CMYK+α』という付加価値。今やWeb に代表するようなデジタルコンテンツと、印刷物に代表するアナログ技法といったテクノロジーの使い分けが必要。オンデマンド印刷の利点からデジタルの有効性とアナログへの変化が重要である。
「ホワイトトナーの持つ特性を最大限に活かした印刷表現を」
アパレル会社のセール用DMをコンセプトに、デザインパターンを複数作成、ホワイトの持つ特性をデザインに落とし込み、質感の感じられる印刷表現を目指した。
当社では市販の日本酒やワイン、焼酎などのお酒に、オリジナルラベルを貼付した商品を販売しています。オリジナル性は強いのですが従来のラベルは貼付ならないことやお客様に制作コメントをご負担いただかなければならないという問題を抱えていました。そんな声にお答えし、従来のラベルを活かし、コストを抑えた商品をと考えたのが「メッセージシール」です。お酒を購入したお客様が送る方に気軽に思いを伝える手段として活用したい商品です。
少しの付加価値で購買動機に大きく貢献する商材。時期、催事、特別感など小売の現場では「売るための工夫」を常に考え、実施しなければならない。しかし、限られた予算やマンネリ化を防ぐなど様々な要因があり頭の痛いところだが、従来の手法に、「ネオンピンク」を使用することで新しさを感じる。ベースになる用紙や型抜きなどを加えることでまだまだ可能性がある。
「女性が美しく見える赤い口紅」をテーマに掲げ、優しく涼やかな、青みがかった赤、ブルーベース色でデザイン制作しました。印刷の方は、高級感があるスペシャリティーズで光沢があるNo.305 ペット系シルバーを選択、商品の下地にホワイト色を入れ、その上に4色カラーで印刷、表面加工には耐摩性のあるクリアを入れました。C7100の印刷機のため、1回転目はホワイト、2回目にカラー+クリアで、見当も少しズレるのを考慮し、ホワイト版データを少し細らせて2回転目を印刷しました。2000個を製造するイメージで3丁付けにし、トムソンで加工しました。
完成度が非常に高く、技術的にすばらしい作品である。黒、シルバーの高級感有る色を巧みに使いデザインの完成度も非常に高い。また高級感がありながら、小ロットを当初から想定しコストパフォーマンスも満足し、顧客への提案としてはバランスが良い。
デジタル印刷のトナーを転写させることで生じる着肉が厚い点を活かし、より凹凸を感じられるように通数を増やして仕上げました。定着温度を下げてオフセット印刷のような光沢を抑えた仕上がりを好む傾向にあるようですが、デジタル印刷の光沢感、トナーの乗った感じは販促ツールとしては目に留まるポジティブ要素と感じます。制作のポイントとしては、油彩画の凹凸感を目標に、色の境目をどこにするかを工夫してホワイト版を作成し、プロセス4色との重なりを意識しました。同じオブジェクトで重ねても効果がわかりにくく、より効果的なホワイトの使い方を模索した作品です。
PODの特徴を熟知し、その良さを出した作品。小ロット、スピード、安価などの面が捉えがちなPODであるが、表現特性を知り、ホワイトやネオカラーなどの要素の可能性も探りながら作られた野心的な作品。PODの可能性をこれからも追求頂きたい。本コンペにおいては、このデザインをどんな商材として展開するのか、「商売を想像できるような」仕上がりであれば、一層望ましかった。
主催 |
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概要 |
RICOH Proシリーズのスペシャルカラー搭載機のユーザーを対象として、「デジタル+スペシャルカラーをビジネスに活用した作品」を募集します。開催概要ダウンロード |
応募資格 |
RICOH Proシリーズのスペシャルカラー搭載機のユーザーであること
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出品費用 |
無料
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作品要件 |
RICOH Proシリーズのスペシャルカラーを活用した制作物であること。
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審査基準 |
応募作品がRICOH Proシリーズのスペシャルカラー特性を活用し、ビジネス拡大につなげられる作品となっているか |
賞 |
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表彰 |
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作品募集期間 |
2018年3月8日(木)~5月21日(月) |
応募に関するご注意 |
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